アメリカのカウボーイが実践しているという、デニムの育て方をやってみました。洗濯のりで一気に固めて、アイロンで折り目を入れるという、かなり乱暴な方法です。
結論から言うと、ジーンズが自立しました。
量産型の「綺麗な色落ち」に、どうも乗れない

デニムのエイジング動画はたくさんあります。ここをこう擦ると自然な色落ちになります、といったものです。悪いとは思いません。ただ、あれは「綺麗に加工されたジーンズ」を自分で作っているだけではないかと感じていました。
そんなに綺麗に色落ちさせたいなら、最初から加工済みのものを買えばいいのではないか、と。
アメリカのヴィンテージデニムがかっこいいのは、炭鉱や工場で働いていた人たちの汚れがそのまま残っているからです。ペンキ屋さんのデニムにペンキが飛んでいる。あれがかっこいい。個性とストーリーとヒストリーがそこにあります。
主役はラングラー。カウボーイのためのジーンズです
今回使うのは、ニューヨークで開かれたラングラーのアーカイブイベントに参加したときに買った、現行のシグネチャーモデルです。リーバイスでいう501にあたる位置づけになります。
アメリカのデニムは出自が分かれています。リーバイスは炭鉱や労働者のジーンズ、ラングラーはカウボーイのジーンズです。そしてカウボーイは、ラングラーにセンタークリース(真ん中の折り目)を入れて履くという文化を持っています。
このラインが入ったまま色落ちしていくのが、ラングラーのかっこよさです。
手順1:アイロンでセンタークリースを入れる

まず脇の耳(セルビッジ)の部分を4枚そろえて重ね、前側はベルトループが重なるように合わせます。こうするとジーンズが真っすぐになるので、その状態でアイロンをかけます。
前も後ろもしっかり折り目が付きました。ここまでは普通のアイロンがけです。
手順2:洗濯のりを、薄めずにそのままかける


ここからがアメリカ式です。洗濯のりを薄めずに、原液のままぶっかけます。
普通の色落ち動画ならデニムを裏返して裏に塗るところですが、カウボーイは表からいきます。形を崩さないように全体へ染み込ませて、あとは日陰で乾かすだけです。
ふざけているように見えますが、これは実際にアメリカで行われている方法です。「Wrangler starch」で検索すると、同じことをやっている動画がいくらでも出てきます。
乾かしたら、ジーンズが自立しました

こんな立ち方をするものなのか、というのが正直な感想です。まっすぐ立ちます。ラインもくっきり入りました。
履くまでが本番。おしゃれは我慢です

固まったジーンズは、当然ながら曲がりません。足が入らないんです。一気に履こうとして失敗し、結局ゆっくり通すことになりました。
「ファッションは我慢だから」
履いてしまえば、この1本のラインのためにやった甲斐はありました。歩きづらい、というよりほとんど歩けないのですが、使っていくうちに柔らかくなり、その過程で自分の当たりが出てきます。

ちなみにこのラインを入れると脚が長く見える効果もあるそうです。
まとめ:量産している場合じゃない
カリフォルニアでかっこいい人たちは、ディッキーズを履いてバンズを履いて、という格好をしています。あの人たちは自分から汚しているわけではありません。生活しているうちに汚れがスタイルになっていった、という順番です。
本来ならこのジーンズも、ここから馬に乗って汚していくのが正しい。そこまではできませんが、ニューヨークまで買いに行ったという、このジーンズ自体のストーリーはあります。
綺麗に色落ちさせることを目指すのもいいのですが、量産型のジーンズを作っている場合じゃないというのが、今回いちばん言いたかったことです。
この記事の動画
アメリカ人のヤバすぎるデニムの育て方で最強のWranglerを作ります
洗濯のりをかける瞬間と、固まったジーンズが自立する場面は、写真よりも動画の方が圧倒的に伝わります。履くのに苦戦するところも含めて18分の本編でどうぞ。
アメリカ・カリフォルニアでの日常を毎週お届けしています。ほかの動画は パジメのチャンネル からどうぞ。
